7/16
宇和島港へ
 走行距離 : 28.86 NM
 Total : 865.45 NM
 走行時間 : 4:45
 Total : 156:20
今朝は日が射していますが西の空に黒い雲がかかっています、気象情報をチェックすると、「所により雨」との予報がありますが、明日の予報はもっと思わしくなく、きょうの午前中に次の港に歩を進めることにしました。
6:45にまだ港湾運輸関係者が出勤してくる前の岸壁を離岸して一昨日の航跡とほぼ同じコースをたどり港外へ、一昨日とは大違いで風が弱く波は全くありません、まるで瀬戸内のようです、黒い雲はどこへやら本当に快適―。
「佐島」を過ぎてから一昨日の航跡を離れ南西方向の小さな「大島」の西側へ、次第に南東に向きを変えて「大崎鼻」沖1マイル、そして「大良鼻」沖0.5マイルを通って「宇和島湾」に進入して行きました。
恐る恐る狭い港口を通り漁港に入って行きましたが小型漁船がいっぱいで適当な係留場所が見つかりません、30分ほど2-3ヵ所に着岸しようと試みましたが断念、漁港から出て漁連裏側の岸壁に着岸しました。
もう11:30です、4時間45分経過、対水距離23.41NM、対地距離23.86NM、これでやっと着艇儀式ができます、吹き出る汗を拭いながら船内で昼食そして昼寝タイムとなりました。
この場所は悪くないのですが、引き波が増幅されて入ってくるようなので昼寝の後、港の一番奥にあるフェリー桟橋に移動しました、昼寝前に確認しておいた場所に着けようと向かったのですが、直前に追い越して行った漁船に先に着けられてしまい、仕方なくタグポートに横抱きさせてもらいました。でもこの場所は引き波も少なく全く天国です。
移動後は駅近くの「鶴の湯」に行って3日ぶりの入浴、帰る途中の居酒屋で夕食を摂り戻って来ました、明日は雨模様なのでこの場所でユックリすることにします。
現在の停泊位置: 33°13.288′N  132°33.437′E
7/17
宇和島港で待機
 走行距離 : 0.0 NM
 Total : 865.45 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 156:20
昨日横抱きさせていただいたタグポートは実は燃料運搬船でした、朝になるとその後ろ側の桟橋に空きができたので15mほど移動、これで運搬船の移動に気を使わなくても済む状況になりました。
近くの日振島では8m/sの南西の風が吹いています、さらにこの南予には「雷注意報」が発令されているので早くも待機状態に入りました。
空模様は曇りでも気温は全く下がらずに午前8時ですでに28℃もあります、今日も暑い一日になりそうです。朝9時頃には少し雨が降りました、でも今日の雨はそれだけで後はハッチを開けて風通りを良くしたキャビンで過ごしました。
夕刻には昨日空路で松山入りした家内が松山・大洲と観光をして電車で宇和島駅へ、とりあえず「さつき」に荷物を置いてから街中の居酒屋で10日ぶりの来艇に乾杯して明日からのクルーとなりました。
次は天候にもよりますが九州の大分県「さいき大入島(おおにゅうじま)」辺りにいくかも・・。
「さつき」

■良くある会話
「ヨットで遠くまで来て、まるで寛平さんみたいですね」
何度もこの言葉を聞いてそのたびに笑ってしまいました、間寛平は自力で太平洋を横断したのではなく友人のヨットに「乗客として乗せてもらって横断したのです」。
でもランニングで大陸を走り抜いているのには感服しますけど・・

  
          ハワイ沖で潜水艦によって沈没させられた「えひめ丸」の犠牲者を悼む歌碑
7/18
佐伯市「さいき大入島(おおにゅうじま)海の駅」へ
 走行距離 : 37.92 NM
 Total : 903.37 NM
 走行時間 : 6:00
 Total : 162:20
6:40に宇和島フェリー桟橋を離岸し、ほぼ入港時の航跡をたどって狭い水路を港外へ向かいました。
風は静かで波も無く、ほとんど我がヨットのペース「霞が浦」のような状態の中でまず真西方角へ、「嘉島」、「日振島」沖の「鴎島」沖で次第に南西に向きを変えて佐伯湾を目指しました。
「日振島」を過ぎると南から少し太平洋のうねりが来ます、一緒にポートのアビームの風は10ノットくらいで安定して吹きだしました、船速は7.5ノット以上をキープ、追い潮も手伝ってこの航海では今日が最高の帆走です。
「蒲戸崎」の南側に入った途端にうねりは全く無くなり、風の方向も左右に振れるので、ジブを閉じ、「大入島」を北から回り込んで「さいき大入島海の駅」の桟橋に向かいました、直前に一杯のヨットの姿が見え先に浮桟橋右側を取られてしまいましたが、地元のヨットクラブの方の誘導でその真後ろに着岸する事ができました。
12:40着岸、6時間ちょうどで対水距離36.52NM、対地距離37.92NMと最高のクルージング日和でしたよ。
桟橋には佐伯ヨットクラブの方々がいて、その中になんと一昨年にお世話にりましたNSYMさんもいらっしゃったのです、2年ぶりの再会に握手です、「久しぶりです、台風来襲の時に大変お世話になりました」。
直前に着岸したたヨットはMTIさんご夫妻の「ひだまりV」で沖縄から大阪へ回航の途中だそうです。
桟橋付け根の「食彩館」で名物の「ごまだしうどん」と生ビールで昼食、桟橋に戻ると反対側になんと京都・舞鶴の「翔鶴」が係留してあります、すぐにオーナーのSEKさんに電話をすると船を置いてと別府温泉で遊んでいるそうで、再会はかないませんでしたけど懐かしい声を拝聴できました。
続いて福岡から二人乗りのヨットが入艇、彼らは「皆既日食」を見るため我々と同様に南に向かって行く予定だそうです、この小さな浮桟橋も今日はヨットでいっぱい、地元の方が「今日は何かあるのですか?」だと、たまたま集まってしまったのですが・・・。
「海人夏館(あまなつかん)」で入浴と夕食の後船に戻ると、一昨年にこの場所で台風に会った時にお世話になったMSNGさんが来艇、MTIさんから提供していただいた「泡盛」で大変盛り上がってしまいました、そこに福岡から遊びに来ていた子供たちも合流して賑やかな夜です。
次は細島港に行く予定です。
現在の停泊位置: 32°59.942′N  131°55.312′E
7/19
宮崎県・日向市・細島港へ
 走行距離 : 53.69 NM
 Total : 957.06 NM
 走行時間 : 9:00
 Total : 171:20
九州の夜明けは遅い、今の季節には千葉なら午前4時前に空が明るくなるのに、こちらでは5時になってから白んできます、昨夜飲み過ぎたのか少し酒気の残った状態で起て見ると桟橋の反対側に居たヨットはすでに細島に向けて出港していました。こちらも出港準備を始めると昨夜のMSNGさんが出勤前に甘夏みかんを摘んで来て差し入れていただきました、またまた感謝です。
瀬戸内にの三机に向かう「ひだまりV」に続いて6:05に「さつき」も出発、佐伯港の航路を通って「大島」沖まで約2時間、目的地の細島までの距離は全く縮まりません、本当に深い佐伯湾です。
外海に出ると海面は一変して南から大きなうねりが襲ってきます、ただ追い潮が1ノット程度あり我慢の航海です、蒲江港沖からはうねりを避けるため「深島」の内側に入り込むとやはり正解です、うねりは軽くなりました。
少しルンルンになったところでMSNGさんから携帯に電話が、近くの屋形島近くに作業船台が見えますがそこで仕事をしていて通過する「さつき」の姿を見つけて電話をいただいたようです。
その後はうねりも収まり快調に「枇杷島」沖を通り細島港に入って行き、15:05ほぼ一昨年と同じ場所に着岸しました。9時間ちょうどで対水距離50.44NM、対地距離53.69NMと長い航海でしたが、缶ビールの着岸儀式で疲れも一気に解消です。
すぐに地元の電気屋さんのMTBさん、それに隣に停泊している貨物船からスタッフが降りてきて歓談タイムになりました。
昼食が遅かったので、近くの夏祭り会場の露天で生ビールと宮崎地鶏の炭火焼き、それにフライドポテトで簡単に済ませました。
次は宮崎港に向かいます、東国原宮崎県知事に会えるかな?
現在の停泊位置: 32°25.629′N  131°39.365′E
  
                これは絵ではありません、細島港の夕日です
7/20
細島港で待機
 走行距離 : 0.0 NM
 Total : 957.06 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 171:20
朝いつものように気象情報をチェックすると、宮崎県のほぼ全域に「雷と突風の注意報」が出ています。
この港は防波堤が不要なほどの天然の良港で、外海が荒れていても湖の様に静かなところです、外海の状況など全く想像もできませんが、細島灯台での風速は今朝の明け方から確実に風が強くなっています、さらに時々小雨が落ちてきました。
このまま宮崎までは行けない事はないのでしょうが、ここから今日の目的地宮崎港までは千葉の九十九里浜のように途中に気候の急変で逃げ込む良港がなくつい慎重になってしまいます、結局待機する事を決定してしまいました。
空には黒い雲がかかっているので雨に対する準備をしてから船内でのんびり過ごし、昼寝の後は残っていたチューハイの段ボール箱を使い明後日の日食観測のための装置を自作しました、これ沢山作れば売れるかな、我ながら傑作ですよ。
作成中に昨日のMTBさんやら、退職後にヨットで過ごす希望のあるHSGCさん、それにお名前はお聞きしなかったのですが幾人かの方が来艇、結構賑やかな「さつき」でした。
銚子から陸路とフェリーでOKNさんがすでに宮崎に入り「さつき」を待っています、明日の天候が心配です。

 
    日食観測装置、太陽の形が上のピンホールから下の白紙に映し出されます
7/21
宮崎港へ
 走行距離 : 37.06 NM
 Total : 994.12 NM
 走行時間 : 6:50
 Total : 178:10
今日も昨日とほぼ同じ予報で宮崎県のほぼ全域に「雷と突風の注意報」が出ています、しかし昨日のようなような黒い雲は無くて空が高い、なんとか宮崎港までは行こうと6:25にもやいを解き出港しました。
静かな港を抜けだすと案の状南からの風が強くうねりもあります、日向岬の定置網を周って南南西に向きを変えると風もうねりも真正面からになり「さつき」は波に叩かれることになりました。
ここから宮崎港までは見通し方向一直線、海岸は岬が無く単調な景色が続きますが、波にたたかれないよう針路を少しづ変えながらの航海になりました、幸いにも雨が降ることはなく涼しいので助かります。
かなり前から見えていた「シーガイア」がはっきりと見えるところまで来ると、南西の風が急に強くなり船速が落ちてきます、一時は36ノット(18m/s)の風でセールを降ろしているにも関わらずマストに風を受けて「さつきが」ヒールします。
なんとか宮崎港にたどりつき、港内に入り一昨年に一週間過ごした製氷工場前の岸壁へ直行、岸壁にはまる一日待たせてしまったOKNさんがいてもやいを取っていただきました。13:15着岸完了、6時間50分、対水距離38.33NM、対地距離37.06NM、結構きつい航海でしたよ。
すぐにOKNさんも交えて着艇儀式、いつもより多めに飲んでから昼寝となりました。
夕方にはタクシーで「浜荘」に向かい温泉でスッキリしたあと「地鶏炭火焼き」の老舗「丸万」に行ってFKMTさんと2年ぶりに再会し4人で乾杯、楽しい夜になりました。
明日の日食はここで観測することになりましたが、天気が心配です。
現在の停泊位置: 31°54.073′N  131°27.560′E
7/22
宮崎港で日食を堪能
 走行距離 : 0.0 NM
 Total : 994.12 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 178:10
昨夜は宮崎のFKMTさんを交えてたっぷり飲んでしまったので今朝はゆっくり寝ていようかな、と思ったのですがすでに生活のリズムは決まっていて5時にはしっかり目覚めていまいました。
今日は日食の日ですが時折雨が降っていてこれでは全く望み薄の感じです。
10時になるとテレビ各局では「皆既日食」の特番を放送していますが、宮崎では強い雨がドジャーを打つので3人ともほぼ諦めていました、尾道に停泊中のHAZUKIからは「ここでは見えているよ」との連絡、少し落胆の色が濃くなってきました、悔しーーい。
10時半頃に少し空が明るくなった時OKNさんが「見えるよ!」と声を発しました、見上げるとほぼ半分になった太陽が雨雲の間から見えました、やったー!、雨雲の間から半分欠けた太陽が確かに見えましたよ。
その後も雨雲がどんどん流れて来ていましたが、11時ちょうどに針のように欠けた太陽が雨雲の間から顔を出しました、それをカメラに収めて3人揃ってビールで祝いの乾杯、屋久島では雨のため見ることができなかったようですが、ここ宮崎では部分食ながらなんとか見られたのは本当にラッキーでした。
興奮しながら乾杯を繰り返し、そろって昼寝タイムに、夕方のOKNさんの乗るフェリー出港に合わせて途中のレストランで夕食を摂りOKNさんを見送りました、3人とも何か満たされたような一日でした。
船に戻ってしばらくすると、一昨年ここ宮崎に滞在中お世話になったMZNさんご夫妻が来艇、一昨年の事や今後のお互いの夢を話して楽しい歓談の時になりました、またどこかでお会いしたいですね。
次はまた細島に戻る予定です。
  
                雨雲の間からやっと顔を出した日食で欠けた太陽、最大食の写真は撮れませんでした。