7/30
四万十川・下田港へ
 走行距離 : 23.37 NM
 Total : 1156.71 NM
 走行時間 : 4:00
 Total : 206:20
いつもとほぼ同じ6:25に離岸して狭い航路を通り港外に出ました、岩礁地帯を抜け出してからも少し沖出しして黒潮の流れに乗ることにします、大きなうねりに翻弄されながら黒潮に乗ると潮の流れは3ノット以上、昨日見た足摺岬灯台がどんどん近付いて来ます、風もないのに潮波がドンブラコ、コロラドの渓流下りのようです(コロラドなんか行った事がないけど)、対水速度は5.5ノットくらいなのに対地速度は一時9ノット以上にもなります。
近くの岩礁を避けて「足摺岬」を大きく廻り込み「土佐湾」に入り込むと潮流は急に無くなり、代わって正面の風が強くなりましたが岬から離れるに従ってほとんど無風状態に、次第に波も静かになりました、左手に「窪津港」を望むころからはいつものルンルン・クルージングの様相でしたよ。
「四万十川」の河口を目指して近づいて行くと、テトラポットと南側の川岸の狭さに驚きです、川幅100mくらいの「四万十川」の河口を遡上するのです、こんなの初めて!、途中から「下田港」への小さな航路標識があったので、それに沿って小さな港内へ、一番北奥の岸壁に10:25に着岸しました、4時間ちょうどの短い航海で、耐水距離21.96NM、対地距離23.37NMでした。
ここは極めて小さな港ですが波風の心配は全くなさそうです、晴れ上がっているため気温が上昇していて着いた途端に汗がどっと出てきました。
町の中には食事ができる店も見当たらず仕方なく船内で自炊、昼寝の後は徒歩で15分程の「四万十いやしの里」に向かいました。
「いやしの湯」でユッタリ入浴、レストラン「山川海」は宿泊客の予約で満員だったためガッカリし船内での自炊も覚悟して下田に戻って来ましたが、途中見つけた店の「奴」で夕食をとることができました、
気さくなマスターとの会話もあり地魚を美味しくいただき大変満足して船に戻って来られました、「山川海」に「入店拒否!」されたのがかえって幸いした感じです。
次ぎは久礼港辺りを目指す予定です。
現在の停泊位置: 32°56.562′N  132°59.545′E
  
            暑い日差しの中、狭い四万十川の河口を遡上しました  
7/31
久礼港へ
 走行距離 : 31.51 NM
 Total : 1188.22 NM
 走行時間 : 5:45
 Total : 212:05
昨夜は気持ち良くて少し飲み過ぎたようです、「ても、そんなの関係ねー(チョット古いか?)」と6:15には出港しましたよ。
昨日の航跡を忠実にたどって狭い四万十川を下り外海に出ました、天候は曇りでも空は高いので崩れる心配はなさそうです。セールを開いてまずは「伊の岬」を目指し、「興津崎」、「冠岬」、「矢田部崎」と次々に現れる岬の沖1マイル地点を目指してほぼ50度で北東へ、次第に空は晴れ上がり、気温はどんどん上昇してきます、最初はポートのアビームの弱い風にジブを開いていたのですがそれも弱まり、機走プラスちょっとの帆走で弱い反流に会いながら快調に須崎港方面へ。
手前の広い久礼湾に入り湾の中央を通って南側に出来た新しい船溜まりに入り12:00製氷所東側の岸壁に着岸しました。5時間45分、対水距離33.00NM、対地距離31.51NM。
着艇儀式もそこそこに徒歩で街中散策に、「大正町市場」に行き、市場の飯屋「浜ちゃん」でかつお丼を賞味、これで\550-は安い!。船に戻りしばしの昼寝の後、丘の上にある「黒潮本陣」で海を眺めながらの入浴、夕食は船内で「大正町市場」で手に入れた食材で簡単に済ます事にしました。
次は高知湾に向かいます。
現在の停泊位置: 33°19.377′N  133°14.100′E
8/1
高知・浦戸湾へ
 走行距離 : 23.88 NM
 Total : 1212.10 NM
 走行時間 : 4:20
 Total : 216:25
明け方、急に雷鳴があったかと思ったら続いて強い雨、外に干してあったタオルがびしょ濡れになってしまいました。「レーダーアメダス合成図」をチェックすると強い雨域は東に去って行きつつあり、ゆっくり出港準備をして、ここで下船する家内に見送られながら7:05に出港しました、また一人旅になります。
まず真東にある「一子碆」の岩礁に向かい、その南側を大きく遠回りしてから北東の「桂浜」へ一直線、空には黒い雨雲の一部が残っていましたが、次第に晴れ上がり波が少なくてポートアビームの風に快適クルージングです。
「桂浜」は夏休みなのに浜遊び客がチラホラ、浜の正面でセールを降ろしてから長い防波堤の間を抜けて浦戸湾へ進入しました。「浦戸大橋」をくぐって右にカーブした先にあるヨット溜まりに11:25着艇、「高知ヨットクラブ」の皆さんが出てきてもやいを取っていただきました。
4時間20分、対水距離25.37NM、対地距離23.88NM。
この場所には地元のヨット仲間たちの手作りの立派な浮桟橋があり、30艇近くのヨットが係留しています、水道も電気も引けるしシャワー室や談話室までも作られています、シャワーをいただきスッキリした後「さつき」に来艇したオーナーの皆さん達と楽しく歓談。
遅い昼寝から起き出したらもう8時過ぎ、外に出る時刻でもなく船内で夕食をとることにしました、
次は「室戸岬」方面に向かいます。
現在の停泊位置: 33°30.423′N  133°33.919′E
  
                       浦戸湾入口にある灯篭 
8/2
室戸市・室津港へ
 走行距離 : 34.97 NM
 Total : 1247.07 NM
 走行時間 : 6:40
 Total : 223:05
7:00ちょうどにヨットオーナーの方に見送られ出港しました、漁に出る漁船に気を使いながら「浦戸大橋」をくぐり、港外でセールを揚げて弱いポートのアビームの風で快適に20マイル先の奈半利(なはり)港を目指します。
安芸(あき)市沖まで来ると風が全く無くなり海面はまるで鏡のようです、とても太平洋とは思えない海面に航跡を残しながらひたすら奈半利(なはり)港へ、真後ろに「浦戸大橋」がずーっと見えていました。
静かな海面に気を良くして奈半利港をスキップ、明日のことも考えてさらに10マイル先にある室戸岬手前の室津港に向かう事にしました。
大きな潮目を過ぎると黒潮の反流が1ノット以上の向かい潮になり、時折4ノット台にスピードが落ちてしまいます、時間は十分にあるのでじっと我慢で浅瀬のある「行当岬」を大きく回り込み、狭い坑口を通り室津港の南奥に進入して行きました。
適当な係留場所が見つからずしばしウロウロして5月にK&Aが横抱きしたタグポートに横付けさせていただきました、タグポートの中にはクモの巣が張っているのでこの船はずーと動いていないようです。
13:40に係留完了、6時間40分、対水距離38.01NM、対地距離34.97NMでした。
ここは奥深い港で周りが10m以上もある防波堤に囲まれています、台風銀座の港らしくここなら安心して避難できそうです、そういえば昔「室戸台風」というのが有りました。
自炊の昼食と昼寝の後、今日は日曜日とあってほとんどのガソリンスタンドがお休み、仕方なく徒歩でポリタンクを運びセルフのガソリンスタンドで軽油をゲット、途中の酒屋さんで紹介された「みやび」で軽く夕食をとり戻ってきました、昼間の「クソ」のつくほどの暑さは和らぎ今夜はゆっくり眠れそうです。
次は四国東岸の港に向かいます。
現在の停泊位置: 33°16.973′N  134°09.053′E
8/3
徳島県海陽町・浅川港へ
 走行距離 : 37.50 NM
 Total : 1284.57 NM
 走行時間 : 5:45
 Total : 230:00
気象情報をチェックすると少なくとも今日の午前中には大きな問題はないが、周りの地域では風が弱いのに室戸岬では北東の風が強く吹いています、さらに潮も早い事を覚悟して6:45にタグポートから離れました。
室戸岬までは4マイル程度、程良いポートクオーターの風でしたが弱い黒潮の反流に会って船速は5ノット止まり、室戸岬が近づくにつれて黒潮の本流に乗り一時は2ノット以上の連れ潮で向かい風と波にもまれながらもアッという間に紀伊水道側へ進入して行きました。
針のように尖った室戸岬なのでほとんどUターン状態で今度は北北東へ、岬から遠ざかるにつれて潮も波も収まりスターボ・クローズの風にジブを開き、エンジンを弱めて暑さの増した紀伊水道を快適クルージングです。
最初は海陽町の浅川港を目指していましたが明日は海上状況が悪化する見通しのため一日待機するかも知れません、なにも無い浅川港より入浴施設も食堂もある5マイル手前の宍喰(ししくい)港に恐る恐る入って行きました、港内に入る手前から5mにセットしてある水深計が「ピーピー」となっています、12:00唯一空いていた岸壁に着けたら水深が2.1m、今夜は平気ですが明日の大潮には喫水が1.95mの「さつき」を係留して置くのは大変心配です、すぐさまもやいを解いて12:20に再出港して当初の予定どおり浅川港に向かいました。
途中大きな定置網を迂回して14:00に港内北側の岸壁に着岸、ここなら水深に2m以上の余裕があります。
実走行時間6時間55分、耐水距離37.79NM、対地距離37.50NM
遅い昼寝をして徒歩で町へ、本当に何もない町ですが一軒だけ見つけたスーパーで食料を買ってきて船内での夕食となりました、今日も暑かった。
次は橘港あたりに向かいます。
現在の停泊位置: 33°37.726′N  134°21.853′E
  
              土佐湾からの「室戸岬」、この後強い向かい風と潮波が待っています
8/4
阿南市・橘港へ
 走行距離 : 31.82 NM
 Total : 1316.39 NM
 走行時間 : 5:50
 Total : 235.50
昨夜は久しぶりに洗濯機をデッキに持ち出して汚れ物を全てきれいにしてスッキリしました。
6:45ほとんど廃船の係留場所のような岸壁を離れ朝日に向かって港外へ、「出羽島」の西側を抜けて北東方向に向かいました。
今日南方海上に停滞していた熱帯低気圧が「台風8号」に名前が変わったようです、案の状「大島」の北まで来ると、予報どおりにうねりが後方からやってきます、でも波長が長くて気にするほどのない程度で快適なローリングにダイエットを意識してコックピットで立ったまま揺れに任せて腰を動かしていました。
「蒲生田岬」に近づくと前方の岩礁に崩れる白波が見えます、岬と「伊島」の間は太平碆(はえ)など岩礁地帯が連なっています、一時はかなり遠回りを覚悟して「伊島」の東側を通るつもりでしたが、近づくと漁船が沢山いる海域が見えたので岬と「シリカ碆」の間を通過する覚悟を決めました。
魚を追って右往左往する数多くの漁船と左右の岩礁にドキドキしながら進入すると、2ノット以上の向かい潮と潮波に翻弄されGPS画面と水深計それにコンパスからも目が離せずに緊張しながらジッと我慢の20分でした。
その間を抜けて次第に西に針路を取り橘港に入って行くと巻き網漁の船がこれまたウヨウヨ、網を引いている方向に注意をしながら針路を小刻みに変えるためこちらもウロウロ、やっとの思いで12:35に着岸しました、5時間50分で対水距離32.35NM、対地距離31.82NMでした。
港から少し歩いて見つけた「豚太郎」にて定食の昼食、この四国には同じ名前のラーメン屋が多く見られました、この地方のチェーン店なのでしょうね。
いつもの昼寝の後、外から聞こえた声で目覚め顔を出したらお孫さんを連れた男性がいましたので、お孫さんと一緒に「さつき」に入っていただき歓談タイムになりました。私とほぼ同じ年代で若いころは私と同じくヨットで旅をする事を夢見ていたそうです。
「夕食に行く予定ですが」と言ったらすぐ近くに有り、昼飯時に気になっていたお好み焼きの「陶変木」のごご主人のTKSMさんだったのです、色々お話をしていると、若いころの夢にも共通点があり楽しい会話で二人ともヘロヘロになるまで楽しい時を過ごしました。
明日は台風から押し寄せるうねりが強くなりそうです、この橘港なら待機も心地が良さそうです。
次は天候が回復したら紀伊水道を渡り和歌山の港に行く予定。
現在の停泊位置: 33°53.008′N  134°39.225′E
8/5
橘港にて待機
 走行距離 : 0.0 NM
 Total : 1316.39 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 235:50
天候は曇り時々晴れ、とそれほど悪くないのですが昨日発生した台風8号からのうねりが紀伊水道にも押し寄せてくる予測なので今日紀伊水道を渡るのは断念しました、多分3日間程度は海面が落ち着くことはなさそうです。
曇り空のおかげで気温はあまり上がらず、キャビンの中でユックリ、エンジンのチェックや固くなりつつあるトイレのポンプの補修をしたりして午前中を過ごしました。
昼時には「阿波橘」駅近くまで散策、大きなスーパーをー見つけて買い物と昼食をとり昼寝タイムに、その後一時間に一本しかないJR牟岐(むぎ)線を使って2駅北にあるの「阿南」まで行き「大和の湯」で久し振りにスッキリし、帰りの列車の時刻に合わせて駅前の「鳥文」で軽く夕食をとって戻って来ました
単線の列車は学校帰りの高校生などで結構一杯でしたよ、列車はディーゼルカーで昔は「気動車」と言っていませんでしたっけ?。
そういえば小生が小学校6年生の時に担任の先生がディーゼルカーは電気のモーターで動いていることを知らず理科のテストで「次の内、電動モーターを使っている物を選べ」という設問で一つ×をもらってしまって強く抗議したことを思い出しました、ディーゼルカーは電車なのです、ただ架線が無いのでディーゼルエンジンの発電所(?)を一緒に運んでいるのです。
明日はもっと海上状況が悪化する予測です、ここなら生活に支障はなさそうなのでユッタリ過ごします。

  
          小さな無人の「阿波橘駅」