8/11
宮崎港で待機5日目
 走行距離 : 0 NM
 Total : 2009.0 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 358:10
今日も「波浪注意報」が出たままです、風も昨日に増して東・あるいは南東の風が強くなっています、今日もこの場所に待機するしかないようです、ついに6月初めに酒田港で待機した5日間とタイ記録になってしまいました。
海の無い栃木県の田舎に生まれ育った私にとって、幼い頃ラジオから聞こえてくる「波浪注意報」という言葉の意味が全くわからなかったのです、当時、外国人、とりわけ西洋人はすべて「アメリカ人」と呼んでいた(本当はフランス人もドイツ人もいたはずですが・・)、映画のスクリーンでは見ていたけど実際にはアメリカ人を見た事が無かったのです。そこで、アメリカ人に声をかけられて返事をすると誘拐されてアメリカまで連れ去られると誰かに言われて本当に信じていました。本当にはあるわけもない事ですが、幼な心には今の北朝鮮による拉致事件を思わせる恐ろしい事だったのです。そこでアメリカ人から「ハロー!」と言われたら注意する「ハロー注意報」だと真剣に思っていました。それはさておき、今日は幸いにも気温は昨日より低めで、風がキャビンの中を吹き抜けて多少は居心地の良い一日でした。
また南の海上に熱帯低気圧が発生したようです、この場所にいて風雨と波が強くなったらもちこたえられそうもないと、夕方に潮が満ちるのを待って砂で埋まった航路の深い所を探しながら「サンマリーナ宮崎」に避難入港、ところが「外来艇は入港禁止」の一点張り、港湾管理事務所の指示で退去させられました。宮崎県は観光県で旅行者を受け入れようとしているはず、あまりにも冷たい対応に宮崎県のイメージが一機に悪くなってしまいました、皆さん!、宮崎県などに観光旅行に来るのはやめましょう、大した所ではありません。万一指定された岩壁で破損などの事故があった場合には「追い出された為」と告訴するつもりです。
夜、近くに停泊していて先日の台風で大きな被害を受けた「第一凛丸」のMZNさんがご家族で地鶏焼きを持参して来艇、夕食がまだだったのでおいしく頂きながらヨット談義に時を忘れてしまいました。
奥様も船酔いしながら乗っているとの事、息子さんと一緒にこれからもヨットライフを楽しんでください。
明日もどうなるのかわかりません、もう寝ます、お休みなさい。
8/12
宮崎港で待機6日目
 走行距離 : 0 NM
 Total : 2009.0 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 358:10
ついに待機日数の新記録です、アメリカでもハンク・アーロンの記録が破られたとのこと、関係ないか・・・?。
昼前には昼食を摂るため、まずは自転車でフェリーターミナルへ、レストランくらいあると思っていましたがお土産物屋だけ、次に行こうとした途端に突然の豪雨になってしまいました。しかたなく待合室のテレビで「アッコにおまかせ」を見て雨の去るまでの時間を過ごしてしまいました。雨が上がってイーオン・ショッピング・センターに行くと、今日は日曜日ということで、どのレストランも家族連れで満員、汗が収まるまでしばらくベンチで休憩した後、たばこを一本つけてさらに時間調整をしてから比較的空いていた手打ちうどんの店でやっと昼食を摂ることができました。ついでにスーパーで買い物をしてから船に戻りコックピットの風通しの良いところで昼寝タイムとなりました。
夕方には愛艇の修理に来ていた「第一凛丸」のMZNさんが車でホテルのお風呂まで送っていただき、風呂あがりにスッキリしていると、今度はMZNさんの奥様の運転でホテルから船まで送っていただきました。さらに、なんと奥様の手作り料理の差し入れです。宮崎の冷汁、サンマの焼き物、冷奴、色々な野菜などなどバック二つにいっぱい、大変においしくてお酒と一緒に食べていたら少し食べ過ぎてしまいました。今日風呂で久し振りに体重計に乗ったら58Kgを割っていたのに、元に戻ってしまいそうです、本当にごちそう様でした。
明日の天気予報では宮崎県全域が雨のようです、たぶんここで涼しく過ごせそうです。
8/13
宮崎港で待機7日目
 走行距離 : 0 NM
 Total : 2009.0 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 358:10
今朝、南方海上に台風8号が発生したとの事です、今後の海上状況によってはサンマリーナに強行入港しよう、と地元のFKMTさんと画策していましたが、台風は台湾方面に向かっていて波の高いのは明日まで、15日には南に向けて出港できそうなので「強行突破」は取りやめてこの岸壁で滞在する事にしました。雨は午前中で上がり、昨日までと違い日差しがなく大変涼しく過ごしやすい船内です。午前中は今後の港の状況などチェックしながらのんびり時間を過ごしました。このところ特に何もせず一日を過ごすことが全く苦にならなくなってきました、5月に下北半島の泊港で4日間を過ごしたときには結構苦痛だったのですが・・。
昨夜の差し入れの残りなどで昼食を摂り、昼寝の後は自転車で市内方面に新しい道を探すために出発、風も涼しく快適な夕方のサイクリングです。大淀川畔では数人のウインドサーファーが片づけに入っていました、かつて私もセーリングに疲れた体で夕焼けの中、ヨットの艤装解除をしていた感覚を思い出してしまいました。一通り宮崎郊外を走り、途中で見つけた居酒屋で軽い夕食、会計を終えて外に出ると強い雨が降っています、濡れながらの帰途でいつものコンビにに逃げ込み買い物をしてから店内で雨の弱まるのを待って船に戻って来ました。
明日は雨が降らなければさらに市内中心部までサイクリングに行き、運が良ければ新知事の写真でも撮って来ようかなぁと思っています。このところ宮崎には新知事目当ての観光客が増えているようですよ。

8/14
宮崎港で待機8日目
 走行距離 : 0 NM
 Total : 2009.0 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 358:10
高校野球の常総学園の敗退を聞いてから自転車で宮崎市内散策にでかけました、川沿いの道を西に進むと急ににわか雨が!、できたばかりのマンション一階の駐車場でしばしの雨宿り、雨はすぐに小降りになり再度県庁方面に向かいました。県庁のまわりには観光客の人々です、物産館の前や「宮崎県庁」の看板の前は記念写真を撮る人でいっぱい、こんなに賑わうのは昭和40年代の「フェニックス・ハネムーン」ブーム以来なのでは・・・?。アーケード街では街頭テレビで高校野球の中継を映していました、神奈川の桐光と当地宮崎の日南学院の戦いなので私としては心の中で関東勢を応援したいのですが、もちろん周りは全員日南を応援する人達なので静かに観戦しなければ!、点を取ったら取り返すといった好試合にアーケード内は悲鳴と拍手喝采の繰り返し、こちらも時間があるので試合終了まで観戦してしまいました、地元日南が勝ってよかったですね。
近くの店で食事をして宮崎駅まで行き観光パンフレットをいただき戻って来ました。
しばしの昼寝の後、一昨日行った「浜荘」で入浴し少し涼しくなった夕方の風を切りながら港へ、漁業組合直営の「ぎょれん丸」で軽く食事をしているとMZNさんから「食事の用意をしたので、これから船に持って行く」とのこと、急いで会計を済まして船に戻りました。ほどなく、奥様と息子さんと一緒にMZNさんが来艇、久し振りにコックピットにテーブルを用意し静かな海面を見ながら賑やかな食事となりました。ここに着岸してからいつも気遣っていただきましたMZNさんご一家のおかげもあり、こんなに長く居たのに全く苦痛ではありませんでした、ありがとうございました。
明日は波浪予想はOK、その他の気象条件が良ければ南に向かって久しぶりに出港するつもりです。
8/15
宮崎県 大堂津(おおどうづ)港へ
 走行距離 : 27.5 NM
 Total : 2036.5 NM
 走行時間 : 5:10
 Total : 363:20
朝弱い雨が降っていたので少し心配だったのですが、7:15に意を決して出港、やっと永いこと滞在した宮崎港を脱出しました。港外に出ると波長の長いうねりが残っていましたがあまり気にならない程度で、薄曇りで涼しくて快適なクルージングとなりました。青島、サボテン公園、鵜戸神宮と海上から「日南海岸」を楽しみながら南へ、油津港沖の大島を確認したところで一時強い雨が降ったもののすぐに上がり、強くなった日差しの中、岩礁地帯を抜けて湾内に入って行きました。油津に入港するつもりでしたが、知人が待っているとのことで急遽すぐ隣の大堂津港に入ることにしました。
港に入って係留場所を探していると、漁協の建物の前で一人の男性がこちらを見ています、とりあえず近づいて「ここに止めてもいいですか?」と聞くと「さつきさんですか?」との質問が返ってきました、現役時代に大変お世話になった大先輩AOKさんのお兄さんで、あらかじめメールで到着時刻を知らせておいたので、岸壁に迎えに来ていただいたのだそうです。
12:25着岸、5時間10分、対水距離28.4NM、対地距離27.5NM。
すぐにお兄さんの奥様の車で油津港近くの食堂に連れていっていただき昼食、そして自宅でお風呂までいただきました、港に戻るとAOKさんの同級生が来艇し、かつてテレビ小説「わかば」の舞台になった飫肥(おび)城址、と一緒に仕事をしていた時にAOKさんに見せていただいた写真の大堂津を一望に見渡せるポイントにつれて行っていただきました。眼下に町が見渡せ、青く輝く海の向こうに大島をはじめ小さな島々が点在して本当に絶景という言葉がぴったりするきれいな街です。その後以前から焼酎を取り寄せていた「古澤酒造」に直接行って、また注文してしまいました。
夜になるとすぐそばの広場は盆踊りで賑やかです、コックピットでお兄さんと歓談していると、次々と盆踊り帰りのAOKさんの知人が来艇して「さつき」は夜遅くまでサロン状態になってしまいました。楽しい大堂津の半日でした。次は内之浦港まで行こうと思います。ロケットの発射基地が見られるかな?。

 
                  砂嘴の上にある大堂津の町並みと大堂津港
8/16
鹿児島県 内之浦港へ
 走行距離 : 28.8 NM
 Total : 2065.3 NM
 走行時間 : 4:45
 Total : 368:05
昨夜は東南アジアからの漁業研修生などが遅くまでコックピットで歓談していたので、私も寝不足気味ですが6時には起床していつもの出向準備にかかりました、AOKさんの少年時代の同級生HMUEさんが見送りに来ていただき7:25にお互いに手を振りながら出港しました。都井岬までは小さな岬の連続で、地図を片手に景色の移り変わりを楽しみながら南下、大島と本土の間の水道ではかすかな向い潮でしたが、水道を抜けると0.5ノット以上の連れ潮となり、風が弱くても常時6ノット以上をキープし結構快適なクルージングでした。都井岬をまわり、西南西に向きを変えると左後ろからのうねりに船は時折大きく左右に傾きます、でも天気は真夏の天気そのもの「これがサマースポーツだ!」との気合いで暑い日差しを浴びながら大きな内之浦湾に入って行きました。12:10、港内西奥の岸壁に着岸、4時間45分、対水距離27.2NM、対地距離28.8NMでした。 急いで昼食を作り、とにかく暑いので(夜のニュースで今日は岐阜と埼玉で最高気温の記録を70数年ぶりに更新したそうですね)これは昼寝しかない、と風通りの良い場所で眠ってしまいました。
昼寝の後はタクシーで「宇宙空間観測所」へ、ロケット発射台や巨大にパラボラを見てから運転手さんに実物大のロケット模型の前で写真を撮っていただきました、往復約2,500円。
町に戻ってからは川向こうの施設で風呂を使い、港近くの食事処「瀬里奈」でゆっくりとした夕食となりました。店主に差し出された雑記帳にはよく知っているヨットマンの名前が幾つかあり、私もきたない字でメモを記してしまいました。
明日は海上の状態によっては種子島まで行きたいので早く寝ます、おやすみなさい。

 
                    内之浦宇宙空間観測所の巨大なパラボラ
8/17
種子島・西之表港へ
 走行距離 : 40.3 NM
 Total : 2105.6 NM
 走行時間 : 8:15
 Total : 376:20
いつもより早く寝たので今日の睡眠は十分です、6:55に眩しい朝日の中を出港し内之浦港を後にしました。定置網を避けながら火埼を回り南に向かうと、すぐに連れ潮に乗ることができ、うねりは大きくて結構船が揺られはしましたが、「早く到着できるのなら」と、このうねりを楽しむことにしました。
しかし大隅半島から種子島に向かって徐々に離れて行き、遠くに種子島の島影を視認できる頃になると、北流する黒潮の本流の真っただ中に入って行き、この後ずっと1-2.5ノットの向い潮に乗ることになってしまいました、その代わりにうねりは少なくなったので、「今日はゆっくりクルージングを楽しもう」と早い到着を諦めることにしました。大きなコンテナ船と何度もすれ違いながらひたすら南へ南へ、一時は4ノット位まで速力が落ちても良い天気と馬毛島、屋久島、硫黄島、九州本土の佐多岬ゆ開聞岳など夏の青空の中で良く見えています、まさに「夏だ―ぁ!!」という感じの景色です。
西之表港に近づくと潮の流れも弱まり、大きな港内に入ってすぐに後ろから高速ジェット艇が追うように入ってきたので大きく進路を右に切り航路を空けて、フェリー乗り場近くの岸壁に着岸しました。
しかし岸壁の緩衝材が大きすぎてこちらのフェンダーが全く役にたたず、別の場所に移動しようとしていたところ、フェリー乗り場の職員でしょうか?「旧港にヨットがいるのでその近くに留められるよ」とのアドバイスをいただき北側の旧漁港へ移動、38フィートのヨット「ゆうなみ」の隣の空きスペースに着岸しました。15:10、8時間15分、対水距離48.2NM、対地距離40.3NM、かなり向い潮の影響が出た今日のクルージングでした。
いつもの儀式の後、昼寝をして夕方に徒歩で市内探査に出かけ、ミネラルウォーターを買うために入った店で紹介された天婦羅の専門店「天竜」で食事、地元の食材の天ぷらを地元の塩で大変においしくいただきました、聞くとお母さんは長いこと千葉の市原に住んでいたとのこと、話題の共通点ができてさらに楽しい食事になりました。まだ開店して間もないとのことですが、値段もリーズナブル港から1分もかからない場所なので、ここなら繁盛することでしょう。
船に戻ると隣の「ゆうなみ」のOONさんが来艇、ヨット談義や、近くの島の情報や、私が通って来た港の情報などなど、時の経つのも忘れての歓談となりました。次は屋久島の宮之浦港を目標にします。

 
             種子島・西之表港の赤灯台は宇宙に向かって飛び立ちそう