8/05
雨模様の日です

朝から雷を伴った雨が降っています、この地にしては結構強い雨ですが日本の様なドシャ降りというには程遠い降り方です。こちらは海が遠いので湿度が低く大雨が降る事はほとんどありません、一時間あたり数ミリ程度の降水量なので当然河川の氾濫なども考えられません。昼過ぎまでシトシトと降って夕方には上がりましたが明日もまた一日雨模様の予報です。
針のような山々が連なる「シャモニー針峰群」に雨上がりの雲がかがってまるで水墨画の様な景色が窓から見えています。
今日は外出もせずにロンドンの熱戦をインターネットの画像で見ながら過ごします。

8/06
なでしこが銀メダル以上を確実にしました

今日も朝から雨模様、昼前に一時止んだので街に出て買い物をしてから戻って来るとまた雨が降ってきます。全く予報通りなので一日オリンピック観戦に専念することにします。
スーパーで買って来たスパゲッティーと鳥肉を温めて昼食をとりながらの観戦です。、フェンシング、女子卓球、ボクシングなど次々と初のメダルを獲得、夜になると「なでしこJapan」が後半フランスの猛攻をしのぎ決勝進出を決めました。中二日空けてアメリカとカナダの勝者との決勝戦を観戦するのが楽しみです。
明日の天気は好転しそうです、久しぶりに「ラック・ブラン」へのハイキングのガイドをする予定です。

8/07
ラックブランへの絶好のハイキング日和でした

一週間ぶりにガイドの予定が入っています。朝6時に起床して空を見上げると近くの山が全く見えない程の霧が立ち込めていますが空が明るいので上空は晴れているようです。待ち合わせ場所のアルピナホテルに向かうとウッスラとモンブランの山頂が見えはじめました。今日のグループは17名、チャーターしたバスでプラのゴンドラ乗り場に到着する頃にはすっかり晴れ上がり皆さん興奮状態になりました。
いつもノリの良いグループに言っているように「今日の天気が良いのは全て担当する事になった私のお陰ですよ」、「でも天気が悪い時もあります、それは私の責任ではありません、いくら私でも自然には勝てません」とお話したのですが、ハイキングの終わりまでうけてしまう程今日の天気は抜群でした。
いつものコース通り、プラからフレジュールまでゴンドラで登り、スキー用のチェアリフトでランデックスに登りハイキンをグ開始、ラックブランを散策してからフレジュール経由でプラの教会まで戻ってきました。トータルで5時間のハイキングに少しきつかったけど景色が良かった事もあり皆さん大満足の様子で、昨日悪天のため断念したエギュイユ・ド・ミデイ行きのゴンドラ乗り場まで送ると別れ際に皆さんから握手を求められてしまいました。
半日程度で皆さんの信頼を得る事ができるのが毎回ガイドをする度に感じる一番の醍醐味です。
明日からまた3日程オフの日が続きスイスのツェルマットに向かう予定です。
ロンドンオリンピックの男子サッカーはメキシコに負けてしまいました、残念!!

  
  ラックブランで風のないきれいな湖面越しにモンブランを眺めるハイカーたち

8/08
シャモニーでの生活

昨日から快晴の日になっているので放射冷却のため気温が8℃と冷え込みが大きい朝です、窓からモンブラン山頂が良く見えています。
今日もオフの日、こちらフランスでの生活の一部を紹介しましょう。
シャモニーでの住まいはUEKさんの家の一部屋を借りています、約8畳くらいの部屋で当然土足暮らしですが、私はスリッパーを使用しています。
電気は
220VPCの電源を取るために変換コネクタを使っていて、携帯電話はPCUSBから充電しています、100Vだけしか使えない機器がある場合には変換トランスが必要です、重いので今回は持参しませんでしたが何の不便もありません。
食事は昨日の様な昼食をはさむハイキングの時には日本食レストランで作られたお弁当が食べられます。
それ以外の時はスーパーで簡単に加熱して食べられる食糧を買ってきて済ませています。
以前には外のレストランで食事をする事が多かったのですが、物価が高く出費がかさむ事から今ではなるべく部屋で食事をすることにしています。
ところで、こちらの電子レンジはタイマーが切れる時にいまだに「チン」とベルの鳴る音がします、
今の日本では全て電子音で知らせてくれるのでこのような音を聞いた事が有りません、電子レンジで温める事を「チンする」と言っているのはこの音からで日本では言葉の中だけでベルの音が残っているようです。
ゴミの分別は大雑把で全て街角に設置されている大きなゴミ箱に放り込みます、「高い税金を払っているので、分別などは公共団体がやるのはあたりまえ」との意識があるようですよ。

  
      シャモニー街中のビルに書かれたリアルな壁画
    非常にリアルで2階と3階の小さな窓だけが実在しています
8/09
アルプスのスキー場には「人工降雪機」が多数用意されています

ここに来る日本人の皆さんはアルプスはたくさん雪が降る地域であると勘違いしています、雪国から来ているのに。
ここは海から遠く離れているので湿度も低くて降雪量はごく僅かな地域です。冬季には気温が低いので一度降った少量の雪はなかなか融ける事がなく夏まで残っていますが、標高は
2000mあたりにあるスキー場のシーズン積雪量は2-3m程度でも大雪です。
日本の降雪量は世界でも例を見ない程多いのです、4月下旬に「立山・黒部アルペンルート」が開通する時には20m以上の雪の壁ができています、降り積もる雪の重さに押しつぶされているので実際にはシーズン中に60m以上の累積降雪量があった事になります、もしこんな量の雪がアルプスに降り積もったら、なかなか融けないためその重さでアルプスは地中海に沈んでしまうでしょう。
日本列島は亜熱帯に近い温帯にありながら地理的に大雪の降りやすい所に位置しています。
まず西側に大きな大陸があり冷えた空気が押し寄せてきます
(この時点では乾燥している)
次に日本海を北上している暖流の「対馬海流」から大量の湯気を吸収して日本列島に到着します、
もし日本列島が平たんな地形ならこの風は太平洋側に通り抜けるのでしょうが、日本列島の背骨の山脈に当たり日本海側に大量の雪を降らせるのです。
年間の累積降雪量の世界記録も日本が記録しています。シベリアやアラスカやアルプスよりも何十倍もの雪が降るのが日本列島なのです。
こちらのスキー場では積雪量が足りないのでスキー場をオープンする為に多くの「人工降雪機」とその原料となる「溜池」が設置されています、日本でいうと寒いけど降雪量の少ない静岡県や山梨県あたりのスキー場のような様子です。

    
       シャモニーの街から見る夕焼けの「ミディ針峰」
   午後9時です、晴天が続き「エギュイユ・ド・ミデイ(3842m)」が真っ赤に染まりました。
8/10
                     今日もオフです

7月の中旬までは毎日ガイドが入っていてほとんど休みの日が無かったのが、20日を過ぎると休みの日がガイドの日よりも多くなりました。
「なでしこJapan」はアメリカに負けて銀メダルを獲得しました、負けたとは言えボール支配率でアメリカを上回り、度々相手ゴールを脅かし十分に見ごたえのある決勝戦でしたよ。
日本では俗に3日で天気が変わると言われています、それは日本付近では西から次々と低気圧が通過するためで天候の変化の激しい位置にあるためです。こちらの地域では一週間くらいの周期で天候が変化します、7日に好転してから今日も晴れ、朝には冷え込んでいたのですが太陽が出ると一気に15℃以上に上昇します、それでも日陰に入ると涼しく凌ぎやすい天候です。
食糧を調達するために徒歩でバイパスの向こうのスーパー「カルフール」に向かいました。途中の「エギュイユ・ド・ミデイ」へのゴンドラ乗り場は観光客でにぎわっていて今日もゴンドラに乗るための整理券が発行されているようです、バカンスの時期なのでしょう7月中旬まで多かった日本人の姿はまばらでほとんどが西洋人の観光客でした。今日の展望台からのアルプスの眺めはすばらしい事でしょう。
明日はスイスのツェルマットでのガイドが入っているので電車を乗り継ぎ移動する予定でいます。

8/11
標高3100mにある「クルムホテル」で夕食

UEKさんに車でマルチーニまで送ってもらい、電車でツェルマットに入りました。このところの好天が続いていてツェルマットでも雲一つ無い快晴です。
お客様とは午後にGGB駅で待ち合わせました。30人のツアーグループから分かれてゴルナグラードの「クルムホテル」に独自に宿泊する母娘2人のためのエスコート役です。お二人は以前にこの地に来た時には何も見えずじまいだったのが今回は晴天に恵まれ、展望台から全ての山が見えていて大喜びの様子です。ひとしきり展望を楽しんだ後のホテルレストランでの夕食の美味しかったこと、私にとって久しぶりのきちんとした食事です。
夕食後の8:20分頃からはモンテローザ、リスカム、ブライトホルン等々東側の山が真っ赤に染まり、このホテルに泊るのが初めての私にとって今までに見たことの無い光景でしたのでたくさん写真を撮ってしまいました。お客様のチェックイン・チェックアウトのサポート、食事の内容の紹介と飲み物オーダーのサポート、ホテル関係のトラブルが有った時のサポートなどが私の役割なのですが、仕事とは言え美味しい食事をとれてきれいな部屋で眠れるのはすごい役得です。

  
     標高3100mにある「クルムホテル」
   ゴルナグラード駅から5分のところにある大変人気のある山岳ホテルです。
   何度も訪れている場所なのですが、ここに宿泊するのは今回が初めてです

   
       夕焼けのモンテローザ
   ツェルマットの街からは見えない山なので、初めて見る光景です。
  夕日に染まる山肌のでこぼこがまるでバラの花のように見えることからモンテローザ(バラの山)の名が
  ついたと言われているアルプスで
2番目の高峰です。
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