8/26
完全に秋の空気が入ってきた

昨夜は秋の寒気が入ってきたために強い雷雨になりました。今朝起きて外に出ると7月以来久しぶりの冷え込みです。
今日のグループは少人数の11人で添乗員を除くと全て私と同じ世代、天気が好転するとの予報通り登山電車でゴルナグラードに登るとすっかり晴れ上がり、全ての山々の山頂が見えました。昨夜は雪が降ったようで昨日まで真っ黒だった山も白く雪化粧をしていて山肌が引き立ちよりきれいな景色に皆さん感激していました。
ハイキングでは数少ない高山植物を説明しながらの下山でした、それにしてもこの時期になるとほとんどの高山植物が枯れてしまっていて7月中旬の頃と比べると全く無いに等しい状況です、時折見つけると皆さん一生懸命にカメラに収めていましたが、是非一面の高山植物を見て欲しいとの意味を込めて「今回でスイスは十分に見たなどと言わず、是非また来てください、私が待っています」と、ついつい挨拶をしてしまいます。
今一番多く咲いているのはホタルブクロの一種「ヒメイトシャジン」という紫色の花てす。
ガイドの後は電車を乗り継いでシャモニーに戻ってきました、こちらも一昨日までの暑さはなくしっかりと秋の空気に置き換わってしました。

  

      モンブラン・エクスプレスの電車
    スイスのマルチーニからシャモニーまで行く電車、現在はフランス国内の部分が工事中で
   国境手前のシャトラードまで運行しています。

8/27
もう秋です

外に出て朝の寝起きのタバコを吸っていたらとても寒くて早く室内に戻ってしまいました、樺太と同緯度のシャモニーでは確実に秋の気配いがただよっています。
6月にシャモニーに来た頃には日の出が5:42で朝の5時になると空が明るくなってきて、日の入りが21:2722時過ぎまで暗くならないので昼の長さが夜の2倍もありました、今では6時を過ぎないと明るくならず夜は9時を過ぎると暗くなってしまいます。昼の長さが実に2時間以上も短くなっています。冬になると昼の長さが夜の半分くらいになります、極地により近い土地とはいえ毎日の変化の大きさを強く感じます。

  
ところでこの写真スイスのマルチーニの駅前の様子ですが、ビルの壁にHelvetia(ヘルベチア)と書いてあります、これが私達日本人がスイス(これは英語)と呼んでいるこの国の共通の名前なのです。
この国はスイスドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマニッシュ語の
4つの言語が公用語となっていて、自分の国の名前をそれぞれの言葉で呼んでいます。
これでは混乱するというので共通の国の名前をラテン語でヘルベチアと呼んでいます。日本のインターネット
URLが「.JP」なのに対してスイスのURLは「.CH」となっているのとスイスフランの表記が「CHF」となっているのは「Confederatio Helvetica(ヘルベチア連邦国)」と呼ばれているからなのです。

今日WTNBさんはジュネーブまで観光に行き、午後からはフレジュールからプランプラまでのハイキングに出かけて行きました。天候が良くて一日中モンブランが見えていたので今日のハイキングは最高だったことでしょう。
明日はラックブランをガイドする予定で、多分今年の最後のコースになるかも知れません。

8/28
ラックブランへ

久しぶりにラックブラン(Lac Bran:白い湖)へのハイキングです、色々なハイキングコースがありますがこのコースが一番きついのかも知れません、今日のグループの中から早くも2名の方が最初から不参加で総勢21名でスタート、一昨日からの寒気で涼しく、さらに雲の多い天候なので汗もかかずに快適なハイキングでした。最初は隠れていたモンブランの山頂も最後には姿を現して結局全部の山が見えました。
このグループは昨日の快晴の中イタリアとの国境のエルブロンネまでテレキャビンで行きモンブランは十分に堪能してしまったので今日の涼しいハイキングを楽しんでいました。
朝の7:30から14:00とほぼ一日の同行でグループの皆さんと気持ちも良く通じ合い、ガイド終了の挨拶の時には皆さん拍手をしてくださいます、さらに握手を求められる事も、私も楽しんでいるのですが・・・。

  
        標高2350mにあるラックブランから
    皆さん湖面に映る「逆さモンブラン」をカメラにおさめようと必死です。

8/29
雲の多い一日

予報どおりに雲が多くモンブラン頂上が雲に隠れています。
WTNBさんが明日の帰国のために荷物の整理を始めました、私の方は残りのガイドの予定を確認すると10日まで散発で予定が入っているので11日にツェルマットからチューリッヒ近くの町、例えば6月に泊ったルツェルン辺りまで電車で移動して翌12日のフライトになりそうです。
今回はスイスの国鉄が全て半額になる一年間有効の「ハーフ・プライス・パス」を持っているので安く電車に乗る事ができています。スイス国内では労働力不足のため外国から働きに来ている人や長期滞在の観光客などに便宜を図るためこの「ハーフ・プライス・パス」を163スイスフラン(13,000)で発行してくれます、国鉄だけでなくスイス国内の高額な登山電車やロープウェイ、バスなども半額で乗れるのでかなりお得感のある便利なパスです。少しユッタリとしたスイス旅行を楽しむのなら、全てフリーで乗れる「スイス・パス」よりもお得といえます、そういえば一昨年に電車の中でお会いした日本人夫妻も「ハーフ・プライス・パス」を使ってスイス国内を自由に観光していました。

8/30
WTNBさんがジュネーブ経由で帰国して行きました

今月の中旬から滞在していたWTNBさんが7時ちょうどの迎えのタクシーに乗ってジュネーブに向かって行きました、チューリッヒ乗り換えで日本時間で明日の朝に成田に着く予定です、お疲れ様でした。
夜中から雷鳴が轟いていて今日は朝から雨がシトシトと降っています。7月の異常な寒さほどではないけれど気温が上がらずに寒い一日です。近くの山々がまるで水墨画のように見えています。明後日まで雨模様の予報、ちょうど日本の秋霖(しゅうりん)のような天候で、これで季節が秋に移り代わっていくようです。

  
         窓からの景色
     モンブラン方面が雨雲におおわれていて涼しい日です、
     日本ではまだまだ暑い日が続いているのでしょうね。
8/31
                     一日中雨模様のオフ

昨日から「モンブラン・ウルトラ・トレイル」の競技が始まっています、100Kmから284Kmまで4つのモンブランを周る山岳コースをそれぞれ走破する競技で、シャモニー市街地に入って来た選手たちは昨日からの雨で皆さん泥まみれで頑張っていました。町の人達は皆さん「ブラボー」と声をかけて拍手をして迎えています。ここではこのようなアイアンマンレースの様な競技が数多く催されていて世界中から競技者が集まって来ます、もちろん日本人も参加していましたよ。
一昨日からの雨で雲の合間から見えるエギュイユ・ド・ミディの3000mから上の部分は雪だったようで白く雪化粧をしています。8月中には全く使わなかったフリースを取りだし、外に出る時には着てから出るようになりました。

   
        白く雪化粧をした山
9/01
シャモニーは冬景色

もう9月に入りました、ほぼ3日間続いたシトシト雨も昼過ぎには止んできて少しだけ晴れ間が出てきました。かすかに雲間から見える岩山は昨日よりもずっと雪で白くなっていて、日本でいうと12月初旬の山国の様な景色です。ここから見えるモンブランの面は北壁なので山の高いところでは気温が上がらずこの雪は消えずに冬まで残ることでしょう、酷暑の日本から見ると別世界です。気温はとても低い、7月初旬に経験した寒さです、時々タバコを吸うために外に出てみるのですが、夏用のTシャツでは寒くてとてもユックリと喫煙できません、もしかしたら節煙につながるかも。
昨日の「モンブラン・ウルトラ・トレイル」などのイベントの無い日でもシャモニーでは雨模様の日でさえも毎日道路や登山道でランニングをしている人を見かけます、岸壁があれば必ず誰かが登っています、氷河の上ではアイゼンを着けてモンブランを目指すグループが登っています、道路や登山道では自転車ツーリングのグループが走っています。世界中から、特にヨーロッパ各国からスポーツ好きの人達が集まってくるのがこのシャモニーの町なのです。このような光景を見て日本人観光客はただ「すごい!!」とビックリするばかり、西洋人のスポーツや健康に対する取り組みが普段の生活に浸透している事を強く感じます。今年のロンドンオリンピックで日本勢が活躍しましたけど、西洋人のこのような層の厚いスポーツ文化の中から選ばれて参加する人達と戦うのは、一部のスポーツエリートの日本人選手でもはかなり苦戦したのでしょうね。

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